97式軽貨車
正式には「大日本帝国陸軍鉄道連隊九七式軽貨車」と言い、陸軍鉄道連隊が昭和12年から製造した貨車で、国内外で軍用鉄道敷設時の物資運搬や戦地での兵員輸送等に使用されたものである。
戦後、本土に残存した車輌は国鉄や各私鉄等に払い下げられたものも多いが、ここにあるものがどういう経歴を持つのかは不明である。
製造年、製造所を示す銘板も取り付けられていない。
車軸に対し車輪が可動式になっており、1000mmから1524mmの間で任意の軌間に調整できる構造となっている。
元々はボギー式の無蓋貨車であるが、レール等の長物を運搬する際は車体を外し、二つの台車上に旋回架を取り付け、それらの上に直接レール等の両端を架けて運搬する。
阪堺電軌には、この2つの台車と旋回架の組だけの状態で存在し、車体はなく、主にモ161形による牽引でレール運搬に使用されるほか、車庫内で機材の移動等にも使われる。